くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

世の人はの歌・坂本龍馬:強い意志か開き直りか

坂本龍馬の  「世の人は」の歌を詠みました。

青空文庫で読めます →図書カード:和歌二 底本は宮地佐一郎著『龍馬の手紙』(講談社学術文庫) 原本は京都国立博物館所蔵「鹿本龍馬桂小五郎遺墨」

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坂本龍馬は、言わずと知れた幕末の志士です。1836年(天保6年)土佐藩の郷士の次男として生まれました。脱藩して志士となり、亀山社中(後の海援隊)を組織、明治維新に影響を与えました。1867年(:慶応3年)近江屋事件で暗殺されました。享年33歳(満31歳)でした。

 

 

世の人はわれをなにともゆはばいへわがなすことはわれのみぞしる

 

坂本龍馬の歌の中ではとりわけ有名な一首です。龍馬らしい力強くて強い意志が感じられます。

世の中の人は何とでも言うなら言うが良い。私がするべきことは、私だけが知っているというのです。

生涯の信念であるようにも思えますし、また、誰に理解されなくても良いのだ、私だけが知っていればと、開きなおっているようにも思えます。

幕府からは目を付けられ、薩長からさえも狙われるような状況になってもなお、志を立てて大事を成そうとするには、信念も開き直りも必要だったのかもしれません。

この歌が書かれた時期はよくわかっていないのですが、実は、志を立てる前の10代の頃に、姉に当てた手紙に書かれた歌の1つのようです。

龍馬の子供の頃は気弱で姉の1人である乙女(おとじょ)が叱咤激励しつつ学問や武家芸を教え込んだとか。

そうだとすれば、今にみていろ、いつか見返してやると、弱い自分を励ましている歌なのかもしれません。歌を書いた当時は予想もしていなかったかもしれませんが、後の生き様を予感させるような気もしますね。

私たちは、世間の目や周囲の意見に左右されることが多いです。私などもそうですが、こういうことを言ったら変だと思われるかしら、私は嫌なんだけど、みんなが良いと言うからそうなのかもしれない、と、自分の意志をはっきり示さないことも多くあります。

それは、その方が波風か立たなくて楽だという処世術でもあるのですが、そればかりでは、自分の意志が無いことになってしまいます。

どうでも良いことは、それでも構いませんけれど、どうしても譲れないこと、そうしたいことは、周囲からはみだしても行動するという強さも必要なのだと思いました。 

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