くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

詩を読む

あるるかんの死・森川義信:映画のラストシーンのようなイメージ

森川義信の「あるるかんの死」を読みました。青空文庫で読みました→図書カード:あるるかんの死 底本は『増補 森川義信詩集』(国文社)991年刊。 森川義信は大正18年(1918,年)香川県生まれの詩人。中学時代から詩を書き、詩誌に投稿していました。昭和12年「…

春の詩集・河井醉茗:そっと心に秘める青春の日々の記憶

河井醉茗の「春の詩集」を読みました。岩波文庫『醉茗詩抄』青空文庫で読めます。→図書カード:春の詩集 河井酔茗は、1874年(明治7年)大阪生まれの詩人です。詩集に『無限弓』『灯影』などがあります。口語自由詩を提唱して、「文庫」(少年文庫)の記者とし…

手ぶくろ・山村暮鳥:短い詩からひろがる物語

山村暮鳥作の「手ぶくろ」を読みました。底本は『日本児童文学大系』第14巻(ぽるぷ出版)、親本は昭和16年(1941年)『春の膿のうた』(教文館)です。青空文庫で読みました。→図書カード:手ぶくろ 山村暮鳥(1884-1924)は、群馬県生まれの詩人、児童文学者。神…

サーカス・中原中也:言葉の感覚に身震いする

中原中也の「サーカス」を読みました。詩集『山羊の歌』の一篇です。青空文庫で読みました。→図書カード:山羊の歌 中原中也(1907-1937)は、日本の詩人。歌人。ランボオの詩の翻訳も手がけています。30歳で亡くなっています。

クリスマス・萩原朔太郎:華やかな西洋文化への憧れ

萩原朔太郎の「クリスマス」を読みました。 青空文庫で読めます。→図書カード:クリスマス 底本は『萩原朔太郎全集第三巻』(1977年筑摩書房) 幅藁朔太郎は1996年(明治19年)生まれの詩人。日本近代詩の父と言われています。 北原白秋の雑紙「朱樂」に詩を投稿…

山茶花・岡本かの子:愛憎を超えて夫婦関係を冷静に語る

岡本かの子の「山茶花」を読みました。 青空文庫で読めます。 →図書カード:山茶花 底本は『愛よ、愛』(1999年パサージュ叢書・メタローグ) 岡本かの子(1990-19939)は、日本の小説家、歌人、仏教研究家です。 少女の頃から和歌を詠んで新聞の文芸欄などに投…

頑是ない歌・中原中也:遠くなってしまった幼い頃の自分を思う

中原中也の「頑是ない歌」を読みました。 詩集『在りし日の歌』(1938年・創元社)に掲載されている一篇です。 青空文庫で読みました。→図書カード:在りし日の歌 、底本は『中原中也詩集』(1981年・岩波文庫)です。 中原中也(1907-1937)は、日本の詩人。歌人…

わすれな草・竹下夢二:恋しい人を思ってたたずむ樹下美人

竹下夢二の「わすれな草」を読みました。 絵入り小唄集『どんたく』の中の一篇です。青空文庫で読めます。→図書カード:どんたく 底本は、『どんたく』(1993年中公文庫)。初版発行は1913年(大正2年)『どんたく』(実業之日本社)です。 竹久夢二は、1884年(…

家出のすすめ・石垣りん: 狭い家の外にはひろい世界が広がっている

石垣りんの「家出のすすめ」を読みました。 『永遠の詩5 石垣りん』(小学館eBooks)掲載の一篇です。 石垣りんは、1920年(大正9年)生まれの詩人。幼い頃に実母を亡くし、その後3人の義母を持ち、生涯銀行員として家族を支えました。職場の機関誌に詩を発表…

京都人の夜景色・村山槐多:京言葉ってやわらかいのにインパクトが強い

村山槐多の「京都人の夜景色」を読みました。 初出は『槐多の歌へる』(1920年アルス社)。青空文庫で読みました。→図書カード:京都人の夜景色 底本は『ふるさと文学館第三十巻』(1933年ぎょうせい) 村山槐多(1896-1919)は 洋画家。1914年に日本美術院の研…

汚れちまった悲しみに・中原中也:キラキラ光る幼い心が失ったもの

中原中也の「よごれちまった悲しみに」を読みました。 詩集『山羊の歌』に掲載されている一篇です。 『日本の名詩集第4集』 (電子ブック版)で読みました。青空文庫でも読めます →図書カード:山羊の歌 中原中也は1907年(明治40)年生まれの詩人。東京外国語…

港にはいる汽船・桜間中庸:緩と急の変化が面白い港の美しい光景

桜間中庸の「港にはいる汽船」を読みました。 青空文庫で読めます →図書カード:港にはいる汽船 底本は『日光浴室 桜間中庸遺稿集』(1936年ボン書房) 桜間中庸(さくらまちゅうよう)は、1911年生まれの詩人。早稲田大学在学中に童謡研究会に所属して、友人と…

證城寺の狸囃・野口雨情:狸と和尚さんの陽気なセッション

野口雨情の「證城寺の狸囃」(しょじょじのたぬきばやし)を読みました。 詩というよりは、コミカルで楽しい童謡でお馴染みですね。青空文庫で読めます。→図書カード:未刊童謡 野口雨情は1882年(明治15年)生まれの詩人、童謡作詞家。佐藤佐次郎の雑誌「金の…

原体剣舞連・宮沢賢治:体の底から響いてくる原始のリズム

宮沢賢治の「原体剣舞連」(はらたいけんばいれん)を読みました。 詩集『春と修羅』に掲載されている一篇で、青空文庫で読めます。→図書カード:『春と修羅』 底本は『宮沢賢治全集1』(ちくま文庫) 宮沢賢治(1896-1933)は岩手県生まれの詩人、児童文学者。…

秘やかな楽しみ・梶井基次郎:ひとつの檸檬が心の鬱を吹き飛ばす

梶井基次郎の「秘やかな楽しみ」を読みました。青空文庫で読めます。→図書カード:詩二つ 底本は『梶井基次郎全集 第一巻』(1986年ちくま文庫) 梶井基次郎は、1901年(明治34年)生まれの作家。詩情豊かな文章表現で20余り短編を残して、1932年(昭和7年)31…

まざあぐうすハートのクイン・北原白秋訳:異国の饅頭はどんな味?

北原白秋訳の「まさあぐうすハートのクイン」を読みました、。 青空文庫で読めます。→図書カード:まざあ・ぐうす マザーグース(Mother Goose)は、イギリスの伝承童謡で、子守歌や物語、ナンセンスな歌など古くから人々に親しまれ歌い継がれてきた童謡の総称…

芝の芽・土田耕平:詩人の原風景、あの頃は何にでもなれた

土田耕平の「芝の芽」を読みました。 青空文庫で読めます。 →図書カード:芝の芽 底本は日本児童文学大系第九巻(1977年ぽるぷ出版)です。 土田耕平は、1895年(明治28年)生まれの歌人。童話作家。1911年に嶋木赤彦に師事して歌詩「アララギ」に投稿。編集にも…

星と花・土井晩翠:美しいけれど、なんとなく違和感

土井晩翠の「星と花」を読みました。詩集『天地有情』(1899博文館)に掲載の一篇。 青空文庫で読めます。 →図書カード:天地有情 底本は、『明治文学全集58 土井晩翠、薄田泣菫 浦原有明集』(1967年年筑摩書房) 土井晩翠(どい ばんすい)は、1871年(明治4年)…

風に吹かれて・ボブ・ディラン:心に響く心地よい刺激

ボブ・ディランの「風に吹かれて」を読みました。正確には聴きました、ですね。 聴いたのは、AmazonのプライムMusicで、歌詞はこちらの2つのサイトさんで和訳されたものを読みました。→風に吹かれて Blowin' In The Wind:ボブ・ディラン/風に吹かれて / b…

黒い子猫・北原白秋:黒猫は見た!無邪気な子猫が暴いた秘密のできごと

北原白秋の「黒い子猫」を読みました。『おもひで 抒情小曲集』(1911年東雲堂書店)に掲載されている一篇です。青空文庫で読みました。→ 図書カード:思ひ出 北原白秋は1885年福岡県生まれの詩人、童謡作家、歌人です。雑誌「明星」「スバル」などに作品を発…

ほろほろりん・桜間中庸:見も知らぬ姐やの運命が気になってしまう

桜間中庸の「ほろほろりん」を読みました。 青空文庫で読めます。 →図書カード:ほろほろほろりん 底本は『日光浴室桜庭中庸遺稿集』(1936ボン書店) 桜間中庸は1911年、岡山県生まれの童謡詩人です。早稲田大学在学中に早世しています。

歌・新川和江:母の愛情が美しくまぶしく感じます

新川和江の「歌」を読みました。『新川和江詩集』(ハルキ文庫)の一篇です。 1983年から1999年に書いた「それから」という章に収められています。 新川和江は、1929年( 昭和4年)茨城県結城生まれの詩人。私の亡父の年齢と近く、同郷なので 、勝手に親しみを…

スラップスティック・バラード・長田弘:繰り返しのユーモアを楽しむ

長田弘の「スラップスティック・バラード」を読みました。 『長田弘詩集』(ハルキ文庫)に掲載されている1篇。初出は『言葉殺人事件』(1977年晶文社)です。 長田弘は1939年福島生まれの詩人、児童文学家、文芸評論家です。 早稲田大学文学部在学中に詩誌「鳥…

金魚は青空を食べてふくらみ・桜間中庸:自由にイメージをめぐらせて楽しめる詩

桜間中庸の「金魚は青空を食べてふくらみ」を読みました。 青空文庫で読めます。→図書カード:〔金魚は青空を食べてふくらみ〕 底本は『桜間中庸遺稿集』(1936年ボン書房) 桜間中庸(さくらまちゅうよう)は、1911年生まれの詩人。早稲田大学在学中に童謡研究…

世の人はの歌・坂本龍馬:強い意志か開き直りか

坂本龍馬の 「世の人は」の歌を詠みました。 青空文庫で読めます →図書カード:和歌二 底本は宮地佐一郎著『龍馬の手紙』(講談社学術文庫) 原本は京都国立博物館所蔵「鹿本龍馬桂小五郎遺墨」 坂本龍馬は、言わずと知れた幕末の志士です。1836年(天保6年)…

犀川の岸辺・室生犀星:故郷はいつでも親しく迎えてくれる

室生犀星 の「犀川の岸辺」を読みました。 詩集『愛の詩集』(1918年感情詩社)に掲載されている1編です。 青空文庫で読みました。→ 図書カード:愛の詩集 底本は『叙情小曲集愛の詩集』(1955年講談社文芸文庫)です。 室生犀星は1889年8明治22年生まれの詩人…

五つの色・水谷まさる:食事をバランス良く楽しく食べる大切さ

水谷まさるの「五つの色」を読みました。 童謡集『歌時計』(1929年行人社)掲載の一篇です。 青空文庫で読みました、→図書カード:歌時計 底本は『叢書の本の童謡「歌時計」童謡集』(1996年大空社)です。 水谷まさるは、1894年(明治27年)生まれの童話作家、…

明日・新美南吉:子どもたちへの希望と期待を込めた詩

新美南吉の「明日」を読みました。 初出は雑誌「赤い鳥」 (1932年)。青空文庫で読みました、→図書カード:明日 底本は『日本児童文学大系第二十八巻』(1978年ぽるぶ出版) 新美南吉(にいみなんきち)(1913-1943)は、 児童文学作家。北原白秋の童謡雑誌「チチ…

日本がみえない・竹内浩三:戦火の中にあった若者のこころを推し量ってみる

竹内浩三の「日本が見えない」を読みました。 青空文庫で読めます。→図書カード:日本が見えない 底本は『竹内浩三全作品集日本がみえない』(2001年藤原書店) 竹内浩三は、1921年(大正10年)生まれの詩人。 日大専門部映画科に在学中、友人たちと同人誌「伊勢…

飯・千家元麿:ご飯の本当のおいしさを忘れてました

千家元麿の「飯」を読みました。初出は詩集『自分は見た』(1918年玄文社) 青空文庫で読めます。→ 青空文庫図書カードNo. 48569 底本『日本現代文学全集54千家元麿・山村暮鳥・佐藤惣之助・福士幸次郎・堀口大學集』(講談社) 千家元麿(1888-1948)は、出雲大…