くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

母の緊急入院と老健施設への入所:病気の話23

4回目の抗ガン治療を終えて退院したばかりの頃、母が緊急入院しました。

母は私の実母です。認知症で、着替えなど最低限の身の回りのことは概ね自分でできますが、失禁してもそのことを自覚できない状態です。介護保険のランクは要介護1、週2回デイケアに通っていました。

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私が病気で入退院を繰り返していたため、入院中は夫が母の世話をしていてくれました。 

布団から起きられなくて「お腹が痛い」と母。日頃、腰が痛い、足が痛い、背中が痛いと愚痴をこぼしているので、今回もいつものことかなと思いました。

転んだらしく、腕iに軽い青なじみを作っていたので、その時に痛めたのか、それとも骨折? いつもいつも同じ方向を向いて茶の間で横になっているので、それで痛くなったのか、食べ過ぎたのか?  等々推測してみてもわかりませんでした。

夫と相談して病院へ連れて行くことにしたのですが、私は抗ガン治療後でフラフラしてるし、夫は持病の腰痛で、動けない母を抱えて車にのせることができません。そこで救急車をお願いすることにしました。

母の入院

搬送されたのは、私もお世話になっている大学病院でした。着いてすぐに診ていただいたところ、なんと腹痛の原因は胆嚢炎でした。お腹に胆石があってそれが胆管を塞いで炎症を起こしていたそうです。

これでは、ただ寝ていただけでは治るはずがありません。即日入院です。

本来なら外科手術で胆石を取るのがいいのですが、なにぶん82歳という高齢なこともあって、点滴で炎症を抑えることになりました。入院予定は2~3週間。完全絶食で、炎症を抑える薬と、栄養剤の点滴を毎日。

母の入院中に、私も5回目の抗ガン治療で入院したりしたので、別病棟ではありますが、一時は親子で入院することにもなりました。着替えを持って自宅と病院を往復していた夫は大変だったと思います。 

幸いすぐに痛みはとれて、徐々に炎症も治まってくれたようです。ただ、認知症の老人が2週間以上もベッドの上で寝ていることになったため、筋肉が落ちて歩けなくなり、移動は車椅子になり、自分でトイレに行けないため、完全におしめ生活になってしまいました。

入院前は、失禁はありましたけれど、リハビリパンツでなんとか自分でトイレもできていました…… (ただ、そのリハパンを着替えるのを頑なに拒否するので、いつもひと苦労なのですが……)

病院では看護師さんがしっかりお世話をしてくれていますけれど、退院した後に、今の私に世話しきれるかが心配でした。それに私の入院中は夫がしなくてはなりません。果たして母が素直に下の世話をさせるか心配していました。

「退院したらどうしようか」毎日のように夫と話していましたけれど、なかなか結論が出ませんでした。とりあえず、母の寝室をもっと世話のしやすい部屋に移動させて、自信は無いけれど、なんとかやってみるほかないだろうと話しました。

老健施設への入所

「あさって退院です」と告げられた日の夕方、母がお世話になっているケアマネージャーさんに退院の報告をしました。母の状態と、私の状態についてお話しして、今後のことを相談しました。

一時的にでもいいから施設に入所できないか聞いてみたところ、ちょうどタイミング良く部屋が空いていたので、すぐに入所できるとのこと。病院を退院したら直接に連れてきて構わないと言っていただけました。

ケア施設なら歩行訓練もしてもらえますし、お風呂もトイレの面倒もみてもらえます。母本人の許可をとる時間はありませんでしたけれど、いつも行っているデイケア施設なので馴れていますから、お願いすることにしました。

入所後の母のようす

 母の入所後は週に2回ほど、夫が洗濯物の交換に行ってくれているほか、私も体調の良い時には時々会いに行っています。

入所後の母はとても元気。施設でリハビリをしてもらっているので、入所後1週間ほどで歩けるようになっていました。時々しか行かない私のことは誰だかわからなくなってしまいますが(笑)

自宅のテレビの前で一日中横になっていた頃に比べると、表情も明るくなって、他の入所者ともおしゃべりして仲良くやっているようです。

以前は失禁しても自覚がないため、「下着を着替えて」「嫌だ」と、日に何度も私と言い争いをしていましたけれど、職員さんが言えば素直に従うらしく、尿臭もなく、いつもサッパリしています。そういう意味では、夫と私にとってもストレスがなくなりました。

最初は施設に入所させるのは可哀想な気がしていましたし、母の世話を放棄するような気がして心苦しいと思っていました。でも、入所させてみて、母にとっても、私達夫婦にとっても、生活の負担が軽減されて、楽になった気がします。(→病気の話24へ