読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

おばさんは電気炬燵で夢をみるのか?

夫が定年目前にリストラ。無給生活に突入したお気楽主婦日記。心豊かに暮らすために詩を読む生活はじめました。

詩集Fantasia:ファンタジア・仲津麻子

詩集Fantasia

10代から20代頃に書いていた詩を記録しておくことにしました。 

f:id:kukiha-na:20160707160539p:plain

ニール・ハンコックのファンタジー小説、光の輪シリーズに触発されて書いた詩です。内容は小説とはまったく違いますが、「母たち」「時に先立つ世界」などの言葉は小説で使われていました。

ファンタジア

 

          仲津麻子

 

蛇は尾を噛み

世界をかこんでいる

宇宙卵のなかで

子はまどろみ

至福の時を生かされている

時に先立つ世界

すべては「母たち」の腕の中で起こり

永遠に終わることはなかった

 

深淵にへだてられ

乳色の靄が消えるとき

子は静かに目覚める

「母たちは」激しく抱きよせようとするが

卵は割れてしまった

 

怒りが「母たち」を狂わせる

ひらり身をくねらせ

襲いかかり

我が子を貪る

 

淡い光りのなかで

「母たちは」血に染まった口をぬぐう

白い指で

胸をかきむしり

傷つきながら

声にならない悲鳴をあげる

 

再び子は腕の中にあった

輝く光の輪のなかで

つかのまのやすらぎを生きている

 

生まれ 死に

ふたたび生まれ___

怒りは繰りかえされる

 

蛇はどこへ行ってしまったのか

太古の記憶は薄らいでゆく

時に先立つ世界

すべては「母たち」の腕のなかで起こり

永遠に

終わることはなかった

         (C)Asako Nakatsu