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おばさんは電気炬燵で夢をみるのか?

夫が定年目前にリストラ。無給生活に突入したお気楽主婦日記。心豊かに暮らすために詩を読む生活はじめました。

集Fantasia:朱い海の歴史

詩集Fantasia

10代から20代頃に書いていた詩を記録しておくことにしました。

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動物が地球上に現れて以来、延々と繰り返されてきた命の歴史について書いた詩です。

それは、女という存在を考えることでもありました。

 

朱い海の歴史

          仲津麻子

月が満ちてくると

入江から果実が流れてくる

種子のない果実は

太母の掌のなかで

朱い海の底にしずんでゆく

月が満ちてゆくと

朱い海の水はあふれ

土に吸われて消えてゆく

入江から果実は流れ去る

形にならなかった果実の存在を示す

小さな痛みをのこして

果実は生まれ続け

朱い海は果実を殺し続ける

永遠に

繰り返す時間のなかで

月は満ち

月は欠ける

         (C)Asako Nakatsu