くきはの余生

リタイアしてようやくのんびり暮らせるようになりました。目指すは心豊かな生活。還暦目前で患った病気のこと、日々の暮らしや趣味のことなどを綴っています。

僕僕先生・仁木英之:美少女仙人に翻弄されるニート青年のお話

エイラ地上の旅人シリーズ3~4 を購入するまでの間、繋ぎに仁木英之・著『僕僕先生』(新潮社・刊)を電子ブックリーダーで再読しています。

繋ぎになんて言うと失礼かもしれませんが、あまり深刻でなくて気軽に読めるファンタジー小説です。

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作者の仁木英之(にき・ひでゆき)氏は、1973年大阪生まれの作家。大学在学中に北京に2年間留学。2006年に「僕僕先生」で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しています。

 物語の舞台は、玄宗皇帝の時代の中国。退官した裕福な地方官吏のぐうたら息子、王弁(おうべん)が、山の庵でひとりの仙人と出会います。

僕僕(ボクボク)と名乗るその仙人、姿は可愛い女の子。お酒が好きでいくら呑んでも平気な酒豪です。

父親の貯めたお金に頼って、勉強もせず仕事もせずにのほほんと暮らしていた王弁は、ひょんなことから、僕僕先生に弟子入りして旅に出ることになります。

仙人というのは、中国の道教の真理で「道(タオ)を極めた人のこと。不思議な仙術を使い、不死不老になった人を言います。

ですので、僕僕先生は、見た目は少女ですが、実は何百歳か、何千歳かわからないという人物なのですね。一般的なイメージの白髪で長いヒゲの老人ではなくて、少女の姿で描いたというのが、この小説のエンターテイメントなところです。

ファンタジーというのは。未熟な主人公が人生の旅を通して、困難を乗り越え成長して行く話ですが。この小説の場合は、主人公の僕僕先生は仙人ですから、人生経験も豊富ですでに達観した人。未熟な王弁が僕僕先生にいじられ、困難を適当に乗り越えて、少しずつ人生を学んで行くお話です。

このお話はシリーズ化されていて、現在、全部で8冊が出ています。私は3冊くらいまで読んだでしょうか、ライトノベル風で、軽くて読みやす